NRQ『ボストーク』
Apple Light『toy world』
HARVARD
『She Is All』
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2014年を健やかに迎えるにはこういった音楽が相応しいのではないかと思う。周知の方はいるだろうハーバード、広島出身のユニットであり、エスカレーターレコーズとのサイン以後、02年から“ポスト・渋谷系”という巷間の形容詞を迂回するようにスタイリッシュなサウンドとクールなイメージを保ち続けた。ニュー・ソウルからネオアコ、ギターポップ、アシッド・ジャズまでをリファレンスに、バウンシーにかつ涼やかに音像を紡いでいった。07年に一度、解散するも2011年に活動を再開し、再開とともに発表された作品『Hahvahd』でも、アウト・オブ・デイトではないアーバン・ミュージックへの絶妙な距離感と、センスの高さを表象せしめた。これは、一度目の解散間際、初めて日本語で歌うことを選びながら、そこに宿る捻じれた詩情、そして、
オフィシャルのMV
での茫漠とした海辺という曖昧の縁を沿い、ポップ・ミュージックでの代名詞「She」を巡って綴られる普遍的な要素を含んだ、隠れた佳曲である。洒脱に戯れる、真面目にふざける大切さへの附箋の代替としても、この本格活動再開前夜のこのライヴ・ヴァージョンのテンポと無防備さくらいで丁度な気もするので、こちらを選んだ。騙されたふりして、笑えるように。
(2014.1.2)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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